冬になると街やお店を鮮やかに彩るポインセチア。
クリスマスの花として人気ですが、
- 「気づいたら葉が落ちてしまった」
- 「お正月を過ぎたら枯れてしまった」
…こんな経験、ありませんか?
じつはポインセチアは、寒さや乾燥にとても敏感な植物。
でも、いくつかのポイントを押さえれば、冬のあいだも元気に過ごさせることができます。
この記事では、ポインセチアを枯らさずに冬越しさせるための管理方法を、わかりやすく解説します。
冬越しさせるための管理のキーワードは
- 「暖かさ」
- 「日当たり」
- 「控えめな水やり」
この3つです。
お部屋で長く楽しみたい方も、翌年まで育ててみたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
ポインセチアが冬に弱い理由を知ろう

ポインセチアが冬に弱いのは、もともとメキシコの山地が原産だからです。
温暖な地域の植物なので、日本の冬のような寒さはとても苦手。
気温が10℃を下回ると、葉がしおれたり、ぽろぽろと落ちたりしてしまいます。
特に夜の冷え込みや窓際の冷たい空気は大敵です。
昼間は元気でも、夜に冷気が当たるだけで弱ってしまうことがあります。
本来は「低木」なのに枯れやすい理由
ポインセチアは、じつは木の仲間(低木)です。
本来なら毎年育つ植物なのに、1年で枯れてしまうことが多いのは、「室内での環境変化」に弱いからです。
店頭で売られているポインセチアは、短期間で色づくように管理されているため、とてもデリケート。
暖かい売り場から寒い外を経て、乾燥した室内へ――この「急な温度差」と「湿度の変化」がダメージになります。
光不足も冬枯れの原因に
冬になると日が短くなり、室内に入る光の量も減ります。
ポインセチアは光合成でエネルギーを作る植物なので、光が足りないと体力を消耗してしまうのです。
カーテン越しでもいいので、日中はできるだけ明るい場所に置くことが大切。
「寒さ」「乾燥」「光不足」この3つが重なると、冬のあいだに弱ってしまう原因になります。
次は、そんなポインセチアを守るための置き場所選びのコツを詳しく見ていきましょう。
室内での置き場所選びが大切

ポインセチアを冬に元気に保つには、「どこに置くか」がとても重要です。
同じ部屋でも、置き場所によって温度や湿度、光の量がまったく違うからです。
日当たりのよい明るい場所がベスト
ポインセチアは、冬でもできるだけ光が必要です。
日当たりのよい窓辺やレースのカーテン越しなど、明るくて風通しの良い場所を選びましょう。
ただし、冬の窓際は想像以上に冷えます。
夜になるとガラスが冷たくなり、葉が冷気で傷むこともあります。
夜のあいだは、鉢を窓から少し離したり、部屋の中央へ移動させたりするのがおすすめです。
エアコンの風に注意!
暖かい場所に置こうとして、エアコンの吹き出し口の近くに置いてしまうのはNGです。
乾燥した風が直接当たると、葉がちりちりになってしまいます。
どうしてもエアコンの近くしか置けない場合は、風除けになる仕切りや加湿器を利用して調整してあげましょう。
夜の温度差をできるだけ減らす
昼間は暖かくても、夜の室温が下がると急に弱ることがあります。
特に暖房を切る寝室や、玄関などは注意が必要です。
15〜20℃くらいを目安に、なるべく温度変化の少ない場所で管理しましょう。
NGな置き場所の例
- 出入り口や玄関など、冷たい風が入る場所
- 暖房の風が直接当たる場所
- 夜は冷える窓のすぐそば
- 暗くて日がほとんど当たらない部屋
こうした場所は、見た目には問題なくても、ポインセチアにとってはストレスが大きくなりがちです。
明るくて、風がやさしく通り、温度変化の少ない場所――
それが、冬のポインセチアがもっとも安心できる環境です。
次は、意外と間違えやすい「冬の水やり」のコツを見ていきましょう。
冬の水やりは“控えめ”が基本

ポインセチアを冬に枯らしてしまう原因の多くが、実は「水のやりすぎ」。
寒い時期は成長がゆるやかになり、水を吸う力も弱まります。
気温が低いまま土が湿り続けると、根が呼吸できずに腐ってしまうこともあるんです。
水やりの目安は「土が乾いてから2〜3日後」
冬の水やりは、土の表面がしっかり乾いてからが基本です。
手で触ってみてサラッとしていたら、さらに1〜2日待ってから与えるくらいでOK。
鉢の底から少し水が出る程度に与え、受け皿に残った水は必ず捨てましょう。
根がいつまでも水につかっていると、根腐れの原因になります。
冷たい水はNG!常温の水を使おう
冬は冷たい水道水をそのまま使うと、根がびっくりしてしまいます。
できれば室内に置いておいた常温の水を使いましょう。
霧吹きで葉の裏側に軽く湿り気を与えるのもおすすめです。
乾かしすぎにも注意
とはいえ、乾燥しすぎも良くありません。
葉が丸まったり、下の方からパラパラ落ちてきたら水切れのサインです。
そんなときは、鉢全体をバケツなどに浸して底から水を吸わせる「腰水」をすると回復しやすいですよ。
水やりの頻度まとめ(目安)
| 環境 | 頻度の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 暖房のある室内(15〜20℃) | 5〜7日に1回 | 土の表面が乾いてから2日後くらい |
| 暖房のない部屋(10〜15℃) | 7〜10日に1回 | 水やりを減らして根を守る |
| 暖地・温室 | 3〜5日に1回 | 乾燥に注意しながら様子を見る |
冬の水やりは「少なめ」を意識することがポイントです。
次は、もうひとつの落とし穴である「乾燥と暖房」のバランスについて見ていきましょう。
湿度と暖房のバランスを整える

冬の室内でポインセチアを弱らせてしまう原因のひとつが、「乾燥」です。
暖房で空気が乾くと、葉がちりちりになったり、先端から茶色く枯れてきたりします。
でも、ただ加湿すればいいわけではなく、湿度と温度のバランスを保つことが大切なんです。
理想的な環境は「15〜20℃・湿度50〜60%」
ポインセチアが心地よく過ごせるのは、だいたい15〜20℃前後。
人が快適だと感じる室温とほぼ同じです。
湿度は50〜60%を目安に保ちましょう。
加湿器を使う場合は、植物のすぐ横ではなく、少し離れた位置に置くと葉が濡れすぎず安心です。
暖房の風が直接当たらないように
エアコンやファンヒーターの風が直接当たると、葉が乾燥して傷みます。
できるだけ風が当たらない位置に鉢を移動させましょう。
サーキュレーターで部屋全体の空気を循環させると、温度が均一になって植物にも優しいです。
簡単にできる乾燥対策アイデア
乾燥を防ぐには、特別な道具を使わなくても大丈夫。
こんな工夫でも効果があります。
- 濡れタオルや洗濯物を部屋に干す
- 鉢の近くに水を入れた皿を置く
- 葉の裏側に霧吹きで軽く水をかける
特に霧吹きは、ホコリも落とせるので一石二鳥です。
ただし、気温の低い時間帯に行うと水滴が冷えて葉を傷めることがあるので、霧吹きは日中の暖かい時間帯に行いましょう。
暖めすぎもNG
「寒さに弱いから」といって、常に部屋を25℃以上にするのは逆効果です。
高温の乾いた空気は、かえって葉を痛めたり、株を弱らせたりします。
あくまで「人が心地よい室温」が、ポインセチアにも快適な環境です。
冬のあいだは、“あたためすぎず、乾かしすぎず”が合言葉。
次は、冷え込みの厳しい地域でもできる寒さ対策の工夫を紹介します。
寒さ対策の工夫いろいろ

寒さに弱いポインセチアにとって、冬の冷え込みは大きなストレス。
とくに夜間の冷気や、朝晩の気温差が激しいときは要注意です。
でも、ちょっとした工夫で、寒さからしっかり守ることができます。
窓と鉢の間に“ひと工夫”
夜間、窓際の冷気が当たると一気に温度が下がります。
そんなときは、鉢と窓の間に段ボールや発泡スチロール板を立てるだけでも保温効果があります。
カーテンを閉めるときも、鉢を内側に移動させて冷たい空気が直接当たらないようにしましょう。
夜の冷え込みには「カバー」がおすすめ
冷え込む地域では、夜だけ不織布や段ボール箱で鉢を覆うのも効果的です。
ただし、朝になったら必ず外して、日中の光をしっかり浴びせてあげましょう。
カバーをしたまま長時間放置すると、蒸れてカビが出ることがあるので注意が必要です。
鉢の下からも守る「底冷え対策」
床や窓辺の冷えは意外と強力です。
鉢をそのまま置かず、スノコ・木の台・断熱シートの上に置くと、底冷えを防ぐことができます。
これだけでも、根が冷えにくくなり、株が元気に保ちやすくなります。
地域別の寒さ対策ポイント
| 地域 | 注意点 | 対策のヒント |
|---|---|---|
| 寒冷地(例:東北など) | 室内でも夜は冷え込みやすい | 段ボールカバー・鉢下断熱・暖房切りすぎ注意 |
| 中間地(関東・関西など) | 窓際や玄関の冷気に注意 | 夜は鉢を部屋の中央へ移動 |
| 暖地(九州・沖縄など) | 日中の直射日光と乾燥 | 明るい日陰に置き、乾燥防止を意識 |
“寒さ+乾燥”を同時に防ぐコツ
寒い日に暖房を入れると、どうしても乾燥が進みます。
そこでおすすめなのが、鉢の周りに水入りコップを数個置く方法。
空気中の湿度を自然に上げながら、冷えもやわらげることができます。
このように、難しいことをしなくても、工夫次第でポインセチアは冬を乗り切れます。
次は、春まで元気に保つためのお手入れと過ごし方を紹介します。
春まで元気に保つためのひと手間

ポインセチアは冬をうまく乗り越えられれば、春以降も育てられる植物です。
「もうおしまいかな?」と思っても、ちょっとしたお手入れをすれば、来年もまた元気に色づいてくれることがあります。
苞(ほう)が色あせてきたら休ませよう
冬のあいだ楽しんでいた赤やピンクの苞(ほう)は、春が近づくと少しずつ色あせていきます。
そのままにしておくより、思い切って切り戻しを行いましょう。
茎を半分ほど残してカットすると、新しい芽を出しやすくなります。
切った部分は白い樹液が出ますが、これはポインセチア特有の乳液状の液。
触るとかぶれる人もいるので、できれば手袋をして作業してください。
肥料と植え替えのタイミング
春(4〜5月頃)になって暖かくなってきたら、新しい土に植え替えると根が元気になります。
この時期からは、緩効性の肥料を少しずつ与えて、成長をサポートしましょう。
冬の間は休眠に近い状態なので、肥料はほとんど必要ありません。
夏の間の過ごし方
5月〜8月はポインセチアの成長期。
この時期は日当たりの良い場所に置き、水を切らさないようにしましょう。
ただし、真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になるので、レースのカーテン越しや明るい日陰が理想です。
翌年も色づかせたいなら「短日処理」に挑戦!
秋が近づいたら、ポインセチアを再び色づかせるための短日処理を行います。
これを6〜8週間ほど続けると、自然と苞が色づきはじめます。
手間はかかりますが、うまくいけばクリスマスの頃に再びあの鮮やかな赤い姿が見られます。
「去年の株がまた咲いた!」という喜びは、格別ですよ。
無理せず楽しむことも大切に
もちろん、毎年咲かせようと頑張りすぎる必要はありません。
ポインセチアは“クリスマスシーズンを彩る花”として、一年ごとに新しい株を楽しむのも立派な楽しみ方です。
自分のペースで育て方を選ぶことで、植物との付き合いがもっと気楽で楽しいものになります。
冬をうまく乗り切り、春の新芽を見られたら、それは大成功!
最後に、今回の記事全体をまとめていきましょう。
まとめ:冬の3つのキーワードは「暖・光・控えめ水やり」

冬のポインセチアを元気に保つコツは、実はとてもシンプル。
寒さや乾燥を防いで、明るい場所で静かに過ごさせてあげることです。
もう一度、この記事のポイントを振り返ってみましょう。
冬越しの3つのキーワード
- 暖かさを保つ
夜の冷気・窓際の冷え込みに注意。
15〜20℃くらいの室温をキープすると安心です。 - 光をたっぷり与える
日中はレース越しの明るい場所に。
暗い部屋では葉が落ちやすくなるので注意しましょう。 - 水は控えめに
土の表面が乾いてから2〜3日待って水やりを。
受け皿の水は残さず捨てて、根腐れを防ぎます。
春まで楽しむためのポイント
- 冬の間は“休眠期”として静かに見守る
- 春になったら植え替え・肥料で再スタート
- 余裕があれば「短日処理」で翌年も開花チャレンジ!
冬のあいだも、ちょっとした工夫でポインセチアはぐっと長持ちします。


