PTA役員決めの時期が近づくと、「またあの空気になるのか…」と憂うつになる保護者は多いと思います。
でも実は、役員決めが毎年つらくなる原因は「誰がやるか」よりも、決め方の手順が見えにくいことにあります。
この記事では、小学校向けに、学級数が多い学校でも少ない学校でも使いやすい「揉めにくい決め方」をまとめます。
ポイントは、仕事の見える化 → 立候補を優先 → 足りない分だけ公平ルールの順に進めること。免除・欠席の扱いも、当日困らない形で整理します。
まずは、役員決めが荒れやすい“よくある原因”から確認していきましょう。
PTA役員決めが荒れやすい“3大原因”
PTA役員決めが毎年しんどくなる学校には、だいたい共通点があります。
ポイントは「公平かどうか」以前に、“見えにくさ”が残っていることです。
原因1:仕事量が見えない(想像で怖くなる)
- 「実際、何回集まるの?」が分からない
- 「平日昼?土日?」が不明
- 「年度のどこが忙しい?」が見えない
結果:不安が先に立ち、立候補が出にくくなります。
原因2:ルールが曖昧(その場判断で不満が出る)
- 免除の条件があいまい
- 辞退の扱いが決まっていない
- 欠席者をどうするか未定
結果:「去年と違う」「それは聞いてない」が起きやすいです。
原因3:決め方が“いきなり”になっている(納得する前に決まる)
- 事前の説明が短い
- 立候補の時間がほぼない
- すぐ抽選に入る
結果:決まった後にモヤモヤが残ります。
この3つを先に整えるだけで、役員決めの空気はかなり変わります。
次は、どの小学校でも使える「揉めにくい決め方テンプレ」を、手順どおりに紹介します。
どの小学校でも使える「基本テンプレ」
ここからが本題です。
学級数が多い学校でも少ない学校でも、まずはこの“型”で進めると、役員決めがグッとラクになります。
ポイントは、「いきなり抽選」ではなく、決まるまでの道筋を先に見せることです。
ステップ1:仕事を「A4一枚」にして配る(見える化)
最初にやるべきは、役職の中身を“見える化”することです。役職ごとに、次だけ書けば十分です。
- やること(箇条書きで3〜7個)
- 年間の回数(会議・作業・行事)
- 忙しい時期(運動会前、年度末など)
- 在宅でできるか(LINE、メール、オンライン可など)
これがあると、「よく分からないから無理」が減り、立候補が出やすくなります。
ステップ2:立候補を先に集める(できれば事前アンケート)
立候補が集まりにくい学校ほど、“選択肢”を増やすのが効果的です。
- 立候補できる
- 副担当ならできる(2人で1役もOK)
- 条件つきならできる(在宅中心、短期なら等)
- 難しい(配慮が必要)
「やる/やらない」だけにすると固まりやすいので、“できる形”を用意しておくと人が動きやすくなります。
ステップ3:埋まらない分だけ「公平ルール」で決める
立候補で埋まらない場合のルールは、当日その場で決めないのが大事です。先に共有しておくほど揉めにくくなります。
例)
- 立候補が定数を超えたら:話し合い → まとまらなければ投票(または抽選)
- 立候補がゼロなら:推薦 → 本人確認 → 決まらなければ抽選
抽選は“最後の最後の不足分だけ”にすると、納得感が残りやすいです。
ステップ4:免除・辞退・欠席の扱いを「先に」決めておく
役員決めのトラブルは、実はくじよりもここで起きやすいです。
- 免除の対象(最低限でOK)
- 辞退はできる?できるなら条件は?
- 欠席者は抽選対象に入れる?代理抽選はする?
ここが曖昧だと、決まった後にモヤモヤが残りやすくなります。
このテンプレのまとめ(順番が大事)
- 仕事を見える化(A4一枚)
- 立候補を優先(選択肢を増やす)
- 不足分だけ公平ルール(投票・抽選)
- 免除・辞退・欠席は先に明文化
次は、学級数が多い小学校向けに「決め方を回しやすくするコツ」を紹介します。
学級数が多い小学校向け「決め方を回しやすくするコツ」
学級数が多い学校は、保護者の人数が多いぶん、「話し合いで決める」だけだと時間がかかりやすいです。
なのでコツは、最初から“分散”と“時短”の設計にしておくことです。
コツ1:役職を「重たい1役」から「軽い複数タスク」に分ける
広報・行事・会計などは、1人に集まると重く見えて立候補が出ません。
最初から分担前提にすると、急にやれる人が増えます。
例)
- 広報:写真係/文章係/レイアウト係/配布チェック係
- 行事:当日誘導/備品管理/連絡係/集計係
- 安全:旗振り調整/名簿作成/当日の補助
「1人で全部」ではなく「自分の担当だけ」にすると、心理的ハードルが下がります。
コツ2:「各学年(または各クラス)から○名」を先に決めて偏りを防ぐ
人数が多い学校ほど、「毎年同じ学年に偏る」「声の大きい人が損をする」が起きがちです。
そこでおすすめが、枠を先に決める方法です。
- 学年ごとに○名(例:各学年2名ずつ)
- またはクラスごとに○名(例:各クラス1名)
こうすると、決める側も迷いにくく、対象者も「今年はうちの学年の番なんだ」と納得しやすくなります。
コツ3:立候補は「その場」だけでなく、必ず“事前”も用意する
学級数が多い学校だと、その場で手を挙げるのは難しい人も多いです。
事前アンケートを入れるだけで、空気がだいぶ軽くなります。
おすすめの流れ
- 事前アンケート(希望・条件つき・副担当OKなど)
- 役職ごとの「必要人数」と照合
- 当日は「不足分だけ」確認&決定
当日は“確認”中心になるので、かなり時短できます。
コツ4:「推薦」を公開の場でやらない(選出係を置くと揉めにくい)
人数が多い学校ほど、公開の場で推薦が始まると空気が重くなります。
そこで、次のどちらかがおすすめです。
- 推薦(候補探し)は選出係(小さな担当)で事前に進める
- 当日は本人の意思確認だけを淡々と行う
候補探し=裏側、決定=表側に分けるイメージです。
コツ5:当日の“長引きポイント”を先に潰す(時間割を決める)
学級数が多いと、長引く原因はだいたい決まっています。
- 役の説明が長い
- 「辞退OK?」の議論が始まる
- 欠席者の扱いで止まる
最初に言い切れると強い例
- 役の説明は「A4一枚」で済ませる(口頭説明は1分)
- 免除・辞退・欠席は「事前ルール通り」にする
- 立候補が出なければ「不足分だけ抽選」に進む
これで、会が終わる時間が読めます。
小まとめ(学級数が多い学校の勝ち筋)
- 分担して「軽い役」を増やす
- 学年/クラス枠で偏りをなくす
- 事前アンケートで当日を短くする
- 推薦は裏側、決定は表側
- 長引く論点は事前に文章化
次は、逆に学級数が少ない小学校で起きがちな「対象者不足・毎年同じ人問題」を、回る形にするコツをまとめます。
一番揉めやすい「免除・辞退・欠席」の扱い
役員決めで空気が悪くなるのは、くじそのものより 「免除って誰が対象?」「辞退はアリ?」「欠席はどうする?」 が曖昧なときです。
ここは当日の議論にしないで、先に“文章で”決めておくのがコツです。
1)免除の基本:定義を先に固定する
まず、免除の意味を揃えます。おすすめはこの形です。
- 免除=「抽選の対象に入れない」
- ただし 「立候補は妨げない」(やりたい人はできる)
これだけで、「免除=何もしなくていい特権?」のような誤解が減ります。
2)免除の条件:増やしすぎない(詮索しない)
免除は、広げすぎると回らなくなります。
そして細かく確認し始めると空気が悪くなります。だから「必要最小限+自己申告」が現実的です。
よくある考え方(例)
- 直近で役員を経験した人は一定期間は免除(例:○年間)
- 今年度に役員がどうしても難しい事情がある場合は申請できる
- 申請の中身は深掘りしない(理由の詳細説明を求めない)
※「どこまで免除にするか」は学校の人数で最適解が変わります。
学級数が少ないほど、免除を増やしすぎない方が回ります。
3)免除の手続き:当日揉めない“段取り”を決める
免除が荒れるのは「その場で言い出す」ケースが多いです。
なので手続きは、こうしておくと安心です。
- 免除の申請は 事前(例:役員決めの○日前まで)
- 申請先は 選出係/PTA本部など窓口を一本化
- 当日は「免除対象者の人数だけ」を共有(個別理由は出さない)
この形だと、プライバシー面でも角が立ちにくいです。
4)辞退の扱い:ゼロか無制限かにしない
辞退が自由すぎると、結局同じ人に偏ります。
でも「絶対ダメ」も現実的に難しいです。そこでおすすめは、“辞退”ではなく 「交代ルール」 にすることです。
考え方の例
- 役員決定後に事情が変わった場合は、交代の相談ができる
- 交代の方法は、次のどれかに固定する
- 次点の人に打診
- 同学年(同クラス)内で再調整
- 不足が出たら不足分だけ再抽選
「辞退OK?」の議論が始まる前に、道筋が見えているのが大事です。
5)欠席者の扱い:対象に含めるかを先に決める
欠席者の扱いが曖昧だと、必ず止まります。
おすすめは 「欠席でも対象に含める」 を基本にして、運用を明確にすることです。
運用例
- 欠席者も抽選対象に含める
- 代理でくじを引く人を決める(例:担任、選出係など)
- 結果連絡の方法と期限を決める(当日中/翌日まで等)
「欠席したから免れる」が起きないようにしておくと、不公平感が減ります。
コピペ用:ルール文(短くて角が立ちにくい)
- 免除は「抽選対象から外れる」扱いとします。立候補を妨げるものではありません。
- 免除の申請は事前に受け付けます。個別事情の詳細は共有しません。
- 欠席者も選出の対象に含めます。抽選は代理者が行い、結果は後日連絡します。
- 決定後に事情が変わった場合は、交代の相談を受け付けます。手続きは内規に従います。
次は、当日の空気が悪くなりにくいように、保護者会で使える進行台本(短く終わる流れ)をまとめます。
今日からできる「改善チェックリスト」
役員決めをラクにするコツは、特別なアイデアより “揉めやすい所を先に潰す” ことです。
ここでは、今年すぐ使えるチェックリストにして整理します。
今日からできる改善チェックリスト(□にチェックするだけ)
□ 仕事の見える化
- □ 役職ごとに「やること/回数/忙しい時期/在宅可」をA4一枚にした
- □ 口頭説明は短く、詳細は紙(またはPDF)で渡す形にした
□ 立候補が出やすい設計
- □ 事前アンケートを用意した(当日にいきなり手挙げにしない)
- □ 「副担当OK」「条件つきOK(在宅中心など)」を最初から認めた
- □ 役を“1人で全部”にせず、分担できる形に分けた
□ 公平ルール(当日ブレない)
- □ 「定員超え」「立候補ゼロ」「不足」の場合の手順を事前に決めた
- □ 抽選は“最後の不足分だけ”と明記した
- □ 欠席者を対象に含めるか、代理抽選の人を決めた
□ 一番揉めやすい所(免除・辞退)を先に固定
- □ 免除の定義を「抽選対象から外れる」に統一した(立候補は妨げない)
- □ 免除申請は事前受付にして、当日は個別理由を扱わない形にした
- □ 辞退は「辞退OK/NG」ではなく「交代手順」で整理した
□ 規模別の工夫(どちらかだけでもOK)
- (学級数が多い学校)□ 学年/クラス枠を作って偏りを減らした
- (学級数が少ない学校)□ 役員数を見直し、複数年でならす考え方を入れた
まとめ
PTA役員決めがしんどいのは、「誰がやるか」より 決め方が不透明 なときです。
だから、うまくいきやすい順番はこれ。
- 仕事を見える化(A4一枚)
- 立候補を優先(副担当・条件つきOKで入口を広げる)
- 足りない分だけ公平ルール(投票・抽選)
- 免除・辞退・欠席は先に文章で決める
この流れにするだけで、当日の空気はかなり変わります。
「今年は少しでも揉めにくくしたい」なら、まずは A4一枚の見える化 から始めてみてください。



