「ニゲラは植えてはいけない」って本当?
ふんわりと可憐な花と、不思議なフォルムの実が魅力のニゲラ(別名:クロタネソウ)。
ナチュラルガーデンにぴったりの人気の花ですが、最近ネットでは「ニゲラは植えないほうがいい」という声も見かけます。
結論からお伝えすると、ニゲラは適切に管理すれば安全に育てられる植物です。ただし、以下のような理由から、注意が必要なケースもあります。
- 種に毒性があり、特に子どもやペットがいる家庭では要注意
- こぼれ種で繁殖しやすく、庭全体に広がるおそれがある
- アブラムシなどの害虫がつきやすい
この記事では、そんな「植えてはいけない」と言われる理由をわかりやすく解説し、安心して育てるためのポイントや、似た雰囲気のおすすめ植物もご紹介します。
お庭づくりの参考に、ぜひ最後までご覧ください。
ニゲラってどんな花?可憐だけど個性派!
ニゲラは、ヨーロッパやアジア原産の一年草で、ふわっとした繊細な花びらと、細くて糸のような葉が特徴です。
「クロタネソウ」という和名でも知られています。
ブルーやホワイト、ピンクなどの淡い色合いが多く、ナチュラルガーデンや切り花・ドライフラワーとしても人気があります。
特に、咲き終わった後にできる風船のようなユニークな実は、「おしゃれで面白い!」と話題になることも。
開花時期は春から初夏(5月〜6月頃)で、タネからでも育てやすいため、ガーデニング初心者の方にも選ばれやすい花です。

ちなみに、スパイスなどで使われる「ブラッククミン(Nigella sativa)」とは別種なので、園芸用のニゲラの種は食用にはできません。※これはあとで詳しく解説しますね。
なぜ「ニゲラは植えてはいけない」と言われるの?
見た目も可愛く、育てやすいニゲラですが、ネット上では「庭に植えないほうがいい」と言われることも。
なぜそのような意見があるのでしょうか? ここでは、実際によく挙げられている3つの理由を詳しく見ていきましょう。
① 種に毒があるから
園芸用のニゲラ(Nigella damascena)は、種子にアルカロイドという天然の毒性成分を含んでいるとされています。
少量では問題ないものの、大量に誤って食べてしまうと、腹痛・吐き気・痙攣(けいれん)などの症状を起こす可能性があります。
特に、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、誤飲に注意が必要です。

なお、「ブラッククミン」として知られるニゲラ・サティバ(Nigella sativa)は食用になりますが、園芸用のニゲラとは種類が異なります。
② 種が飛んで増えすぎるから
ニゲラは、花が終わったあとに風船のような種のさや(実)をつくり、その中にたくさんの種を抱えています。
これが風で飛ばされたり、こぼれ落ちたりして、翌年には思いがけない場所に勝手に芽を出すことも。

ガーデンのデザインを大切にしている方や、隣家との距離が近い住宅地では、「増えすぎ問題」に悩まされることもあるようです。
③ アブラムシなどの虫が寄ってくる
ニゲラは比較的病害虫に強い植物ではありますが、新芽や茎にアブラムシが付きやすいという報告もあります。
特に、風通しや水はけが悪い環境では虫害が広がりやすくなるため、注意が必要です。

虫が発生すると、ほかの植物にも影響が出ることがあるため、定期的なチェックや害虫スプレーの併用がおすすめです。
それでも育てたい!ニゲラを安全に楽しむためのコツ
「ニゲラは植えてはいけない」と言われる理由はありましたが、それでも花の美しさやドライフラワーの魅力に惹かれて育ててみたい!という方も多いはず。
実は、ちょっとした工夫でトラブルを防ぎながら、ニゲラを楽しむことは可能です。
① 花が終わったら早めに「切る」
種の飛散を防ぐための一番のポイントは、花が終わったあとすぐに「花がら摘み(はながらつみ)」をすること。
風船のような種ができる前にカットしておくことで、翌年の“増えすぎ問題”を防ぐことができます。
「種も可愛いから取っておきたい」という場合は、ネットや袋で覆っておくのもおすすめ。
飛散せず、集めて保管しやすくなります。

ニゲラの種は小さいので、細かい目のネットがおすすめです。茶こし袋も使えますよ。
② 風通しと水はけの良い場所で育てる
虫の発生を防ぐには、風通しの良い場所に植えるのが効果的。
特にアブラムシは蒸れた環境を好むので、混みすぎた株は間引くのも大切なポイントです。
また、過湿を避けるために水はけのよい土を選ぶことも大切。
鉢植えの場合は、底に軽石を敷くなどの工夫をすると◎。
③ 子どもやペットの手が届かない場所に
種に毒性があるため、誤って口にしないように注意が必要です。
特にベランダや玄関先で育てる場合は、お子さんやペットの目線に入りにくい場所を選ぶか、鉢を高い位置に置くようにしましょう。

もちろん、「絶対に危険!」というほどではありませんが、予防の意識をもって育てると安心です。
「やっぱり心配…」という方に。ニゲラの代わりに育てやすい花たち
ニゲラのようなふわっとした雰囲気が好きだけど、「毒」や「繁殖の心配」があるのはちょっと不安…という方もいらっしゃると思います。
ここでは、毒性がなくて安心・繁殖もコントロールしやすい植物をご紹介します。
① アグロステンマ(ムギナデシコ)
ピンクや白の花が風に揺れる、繊細な印象の草花。
草丈はやや高めで、ナチュラルガーデンの雰囲気にもぴったり。毒性はなく、こぼれ種もほどほどなので、初心者にもおすすめです。
② レースフラワー
オルレアに似たレース状の白い花を咲かせますが、一年草で繁殖力は控えめ。
庭で扱いやすく、切り花としても人気です。
③ カスミソウ
ふわっとした小花がたくさん咲く、定番の可憐系植物。多年草と一年草があり、園芸店で購入できるものは毒性なし。華奢な雰囲気が好きな方に◎。

いずれも管理しやすく、安全性が高い植物ばかり。お庭に安心して取り入れられる代替花としておすすめです。
まとめ:ニゲラは「植えてはいけない」わけじゃない。でも注意は必要
ナチュラルで可憐な花姿が人気のニゲラですが、「毒性」「こぼれ種での繁殖」「虫が寄りやすい」といった理由から、「植えてはいけない」と言われることもあるのは確かです。
けれど、それは正しく管理しないとトラブルにつながる可能性があるという意味。

花がら摘みや風通しのよい環境づくり、子ども・ペットへの配慮など、いくつかのポイントを押さえれば、ニゲラは十分に楽しめる植物です。
「それでもちょっと不安…」という方には、毒性や繁殖力の心配が少ない別の植物を選ぶのもおすすめ。
あなたの暮らしやガーデンスタイルに合ったお花で、毎日の景色をもっと心地よく彩ってみませんか?
ニゲラを育てようか迷っていた方のヒントになれば嬉しいです♪